「トクホ」はどこまで頼りになる?
「トクホ」は特定の保健の効果が期待できると認められた食品
流行ってますね、トクホトクホトクホ…。ふと気づくと、テレビからもCMがひっきりなしに流れてくるし、お店に行けば商品がずらりと並んでいるし。単純な私(=ビオサポ助っ人・W)などは、宣伝を見ていると、トクホの食べものや飲みものさえ摂っていれば健康になれるのでは?…なーんて錯覚しそうになっちゃいますが、実際どうなんでしょう…!?
トクホとは「特定保健用食品」のことで、健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められた食品。国が製品として有効性や安全性を評価し承認しています。そして、「おなかの調子を整える」「血圧が高めの方に適する」などの効果の表示をしてもよいことになっています。
「難消化性デキストリン」入りのトクホ、もてはやされているけれど…
そんなトクホの商品、今いったいどれぐらいあるんでしょう?2016年8月3日の時点で、ナント1,200品目以上が表示許可を受けているそうです!その中には「脂肪の吸収を抑える」とされるコーラや、「血糖値の上昇を抑える」とされるサイダーなども。このコーラやサイダーは「難消化性デキストリン」という食物繊維が入っており、その働きで「脂肪の吸収を抑える」「血糖値の上昇を抑える」効果があると認められています。
「じゃあトクホのコーラやサイダー、飲めば飲むほど健康になれるのね!\(^o^)/」と思った方(…私のように単純な方?)、ちょっと待って。 実は、難消化性デキストリンが「脂肪の吸収を抑え」たり「血糖値の上昇を抑え」たりする有効性は、「食事と一緒に摂ったとき」を条件とした試験で認められたものなんだそうです。だから、例えばこのコーラなら、注意書きとして「お食事の際に1本(480ml)、1日1回を目安に」と書いてあります。食事と一緒に摂るときの効果は認められているけれど、それだけを単独でいくら飲んでも、効果は期待できないということなんですね。トクホの注意書き、大事っ!
トクホに頼りすぎるのは本末転倒!ベースはあくまで毎日の食生活
それに、トクホで認められている効果はあくまで特定の限られた用途だけ。以前ビオサポ記事でちょっと触れたように、いくらトクホのコーラとはいえ、アセスルファムK、スクラロースといった人工甘味料を多種類使っているなど気になる点もあります。コーラやサイダーが食事のときの飲みものとしてふさわしいかどうかといったことも、ギモンが残りますよね。
「難消化性デキストリン」の入っているトクホをわざわざ摂って、脂肪の吸収を抑えたり血糖値の上昇を抑えたりすることを期待するなら、むしろ毎日の食事で食物繊維の入った食品を取り入れたほうが自然!…と考える方も多いと思います(^o^)ノ(ビオサポ記事に「食物繊維を多く含む食品」が載っているので参考にしてくださいね!)
もしお手元にトクホの商品があったら、容器や包装を見てみてください。『食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。』という一文がドーンと入っているはず。これは2005年からトクホの商品に表示が義務付けられている文言だそうです。トクホに過度な期待や誤解を持ってしまう人が多いので、正しい認識を示すための表示だとか。「食生活が多少乱れていてもトクホが何とかしてくれる!」と思うのはマチガイで、ベースはやはり毎日の食生活が健康であること。地道ですが、それに尽きるようです!
●消費者庁「健康や栄養に関する表示の制度について『特定保健用食品(トクホ)』」
http://www.caa.go.jp/foods/index4.html#m02
●国立健康・栄養研究所「特定保健用食品 (通称:トクホ) の上手な利用法」
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