糖質って控えたほうがいいの?摂り方のコツを知ろう
体にとって大事な炭水化物(糖質)は不足も摂り過ぎもよくない
炭水化物ダイエット、巷ではもてはやされている感じもありますが、炭水化物ってそんなに悪者なんでしょうか? あらためておさらいすると、炭水化物は、たんぱく質、脂質と並ぶ三大栄養素のひとつで、糖質と食物繊維があります。糖質は、体の中でエネルギー源となるとても大事なものですよね。特に脳や神経組織といった器官は、通常はエネルギー源としてブドウ糖しか利用することができません。そのため、脳・神経で供給不足が起こると、意識障害を起こすこともあるそう。供給されないと大変!なのです。ただ糖質は、過剰な場合は、エネルギーとして消費されなかった分が中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因となってしまいます。つまり、「不足も摂り過ぎもよくない」ということなんです。
糖質との上手な付き合い方は「適量を摂ること」と「代謝すること」
健康のことを考えたら、体にとって大事なエネルギー源である炭水化物(糖質)を極端に控えるようなダイエットは、やっぱりあまりおすすめできません。大事なのは、摂り過ぎずに適量を摂取すること。厚労省の「日本人の食事摂取基準」では、1日の食事のうち炭水化物の占める割合は50~65%が良いとされています。そんなときにちょっと振り返りたいのは毎日の食生活の中身です。いくらご飯を控えていても、例えばジュースや清涼飲料水を口にしていると、そこから意外に多くの糖分を摂っていることも。清涼飲料水の場合は、パッケージに書かれている栄養表示成分の「炭水化物」がほぼ糖分の量。とある清涼飲料水を例にとると、炭水化物が100mlあたり11.3gなので、500mlのペットボトルだと56.5gの糖分が含まれているという計算です。食品から他に摂れるビタミンやミネラルのことも考えると、まずはご飯から糖質を摂るほうが栄養バランスが良く健康にはいいです。清涼飲料水やお菓子はほどほどに楽しんで、ご飯はちゃんと食べた方が良いみたいですね。ちなみに、WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、成人や子どもの1日の糖分摂取を、総摂取エネルギー量の10%未満に減らすように勧告したうえで、「1日25g(ティースプーン6杯分)程度に抑えると健康効果は増大する」と言っているので、それと比べて考えると、清涼飲料水に含まれる糖分の多さがわかりますよね。
糖質の代謝を助けるビタミンB1とアリシンに注目!
そして摂った糖質をきちんと代謝することも大事。ビオサポだよりでも何度か書いていますが、糖質の代謝を助ける働きがあることで知られるのがビタミンB1です。同じように糖質を摂っていても、一緒にビタミンB1を摂っているとより代謝が高まるのです。さらに、このビタミンB1の吸収を助ける働きがあるのがアリシンという物質。ビタミンB1を多く含む食べ物といえば、代表的なのは豚肉。そしてアリシンを多く含む食物には、玉ねぎ、にら、長ねぎ、にんにくなどがあります。つまり、ご飯を食べるときに、糖質の代謝を助ける豚肉(ビタミンB1)+玉ねぎ(アリシン)のおかず、なんていう組み合わせは実におすすめというわけなんです! ご飯のおかずを考えるとき、ちょっと気にしてみてもいいかもしれませんね。
こうして考えてみると、当たり前のようですが、極端な「○○ダイエット」とか特別な「△△健康法」に頼らなくても普段の食事のバランスにちょっと気をつけることが、健康への一番の近道なんだなあと感じます。毎日の食事づくりは大変に感じることもありますが、そんな風に思いながら楽しみたいですね♪
※参考
厚生労働省 e-ヘルスネット「炭水化物」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html
食品安全委員会 食品安全関係情報詳細「世界保健機関(WHO)、ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」を発表」
http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu04220570294