イキイキした健康な肌へ---果物のチカラ、見直そう!
<目次>
- ・肌の健康とビタミンCの関係
- ・そもそもコラーゲンとは?
- ・ビタミンCはサプリより普段の食事で
- ・健康のため「1日200g」の果物を
- ・食卓で果物を楽しむ方法いろいろ
- ・おすすめ!フルーツレシピ
肌の健康とビタミンCの関係
体の表面を覆っている肌。体内の水分を保持し、外からの刺激や異物を感知し、保護するという重要な役割を担っています。肌の奥の真皮で、はりや弾力、みずみずしさを保っているのは、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンといった物質。コラーゲンという名前は美容系の雑誌などでもよく目にしますよね。ビタミンCは、そのコラーゲンの合成に不可欠な栄養素です。ビタミンCが欠乏するとコラーゲンは合成できません。ビタミンCは抗酸化作用を持つビタミンでもあり、活性酸素の働きを抑えて細胞を保護するという面でも肌を守っています。
そもそもコラーゲンとは?
私たちの体内には、皮膚や筋肉といった組織、ホルモンや酵素など、さまざまなかたちでたんぱく質が存在していますが、コラーゲンはそのたんぱく質のひとつ。肌のほかにも、骨や軟骨、血管や内臓、じん帯、腱など、体のさまざまな組織を構成しています。つまり、コラーゲンを正常に保つことは、肌のみならず全身の健康に関わることでもあります。コラーゲンが体内で合成されるためには、良質なたんぱく質とビタミンCが必要です。良質なたんぱく質とは、体内で合成できないために食事から摂ることが必要な、9種の必須アミノ酸をバランスよく含むたんぱく質のこと。魚や肉、卵や牛乳・乳製品、大豆・大豆加工食品などから摂ることができます。摂取されたたんぱく質は、消化・分解されてアミノ酸となって吸収され、またたんぱく質に合成されます。コラーゲンそのものを摂らなくても、良質なたんぱく質を十分に摂れていればコラーゲンは体内で合成することができるので、不足する心配はありません。
ビタミンCはサプリより普段の食事で
たんぱく質とともに、コラーゲンの合成に必要なビタミンC。普通の食生活をしていれば欠乏症になるほど不足することはほとんどありませんが、肌と全身の健康に関わるので、十分に摂っておきたいですよね。ビタミンCを摂れる代表的な食べものといえば、野菜、果物、いも類など。ビタミンCは加熱に弱いという特徴があるため、生で食べる野菜や果物なら効率的に摂れます。また、いも類やかぼちゃに含まれるビタミンCはでんぷんに守られているため、加熱しても失われにくいそうですよ。サプリメントなどから摂取すれば効率が良さそうにも思えますが、注意したいのは過剰摂取。ビタミンCは、通常の食品からの摂取であれば摂りすぎによる健康障害の心配はありませんが、サプリメントなどから多量の摂取をすると、胃腸への影響も心配される場合があるそうです。なるべく普段の食事から摂るようにすることが勧められています。
健康のため「1日200g」の果物を
肌の健康をつくるビタミンC。その摂取源のひとつが果物です。ビタミンCを多く含むだけでなく、カロテンやカリウム、食物繊維なども含みます。国民の健康づくりを推進する「健康日本21(第三次)」(厚生労働省)の中でも、生活習慣病の予防にもつながる食品として、果物を1日あたり200g摂りましょうという目標が示されています。ただ、令和元年の「国民健康栄養調査」によると、実際には、20~50代では果物の摂取量が1日100g未満の人が6割を超えるそう。またある調査によると、果物を摂らない理由としては「値段が高いから」「食べるまでの処理が面倒」「食べる習慣がない」などがあがったそうです。ビタミンCの頼れる摂取源である果物が、あまり食べられていないのはもったいないですね。
食卓で果物を楽しむ方法いろいろ
果物は調理の必要もなく手軽にビタミンCを摂ることができます。もし、ビタミンCの摂取のためにサプリメントを購入しているなら、代わりに果物を食卓に取り入れることをおすすめします。これからの季節、旬を迎える柿や柑橘、キウイフルーツや常備したいバナナなど、選ぶのもひとつの楽しみになります。また、果物を身近な存在にするために、次のようなことを試してみるのもおすすめです。
- ●おやつ・間食に果物を
お菓子類を果物に置き換える日をつくってみてはいかがでしょう。お菓子とは違うさわやかな甘さが味わえます。 - ●料理に取り入れる
果物を料理に使うのもおすすめ。意外なおいしさが発見できて食べ方が広がりますよ。 - ●シリアルやヨーグルト、パンにあわせて
いつもはジャムを使うところを、生の果物に。季節感を味わえるうれしさもあります。 - ●食べきれなければ冷凍しても
一口大に切って、冷凍用の容器やチャック付き袋などに入れて冷凍庫へ。フローズンフルーツのおいしさを楽しめます。
おすすめ!フルーツレシピ
ビオサポレシピからも果物を料理に使ったり、パン、ヨーグルト、シリアルなどとあわせて楽しむレシピをいくつかご紹介します。ビタミンCを含む果物をおいしく楽しみながら、肌を健康に保てるといいですね。また、肌の健康には他のさまざまなビタミンや、ミネラル、脂質も関係するので、食事全体のバランスも心がけましょう。■柿と春菊のサラダ
■りんごと小松菜のクルミ和え
■りんごのチーズホットサンド
■フルーツグラノーラボウル
■フルーツヨーグルトサラダ
【参考】
●「健康栄養学(第二版)」P165~P172(共立出版株式会社)
●e-ヘルスネット(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)
「たんぱく質」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
「コラーゲン」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/diCtionary/food/ye-011.html
●「健康食品」の安全性・有効性情報「ビタミンC」(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)
https://hfnet.nibiohn.go.jp/vitamin/detail179/
●「ビタミンCの働きと一日の摂取量」健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-c.html
●健康日本 21(第三次)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21_00006.html
●令和元年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html