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「牛乳は太る」は本当? あらためて見直す牛乳の栄養価

「牛乳は脂肪が多いから太りそう」「ダイエット中は牛乳を控えたほうがいい」そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。でも、本当に牛乳を飲むと太るのでしょうか? 

<目次>
・牛乳はカロリー・脂肪分が高い飲みもの?
「太る」とはどういうことか
・体脂肪になるのは脂質だけではない
健やかな美しさを保つたんぱく質の摂取源
・不足しがちなカルシウムを手軽補える
・牛乳を食生活に上手に取り入れよう



牛乳はカロリー・脂肪分が高い飲みもの?

まず、牛乳コップ1杯分(200g)に含まれる脂質とカロリーを見てみましょう。
 
飲みもの
(コップ1杯当たり)
エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
カルシウム
(mg)
カリウム
(mg)
リン
(mg)
ビタミンB2
(mg)
普通牛乳 122 6.6 7.6 220 300 186 0.30
無調整豆乳 86 7.2 5.0 30 380 98 0.04
甘酒(米こうじ) 150前後 3.0 0.2 4 120 28 0.04
アーモンドミルク※ 25~40 0.8~1.2 2.0~3.0 10~30 30~80 10~30 0.01~0.03
オレンジジュース100% 84 1.4 0.2 18 360 28 0.08

※植物性ミルクは製品差が大きいため目安値・コップ1杯を約200mlとして計算
※日本食品標準成分表(八訂)より計算

脂質は7.6gです。これはバターにすると小さじ2杯弱。食パン1枚に塗ろうと思ったら、ちょっと少ないぐらいの量かもしれません。ラベルやフタに「乳脂肪分3.4%以上」などと書いてあるとおり、牛乳の脂肪分は全体のだいたい3~4%です。
牛乳コップ1杯分のカロリー、つまり、エネルギー量は122kcal。これはご飯にするとお茶碗半分くらいと同じくらいのエネルギー量です。
牛乳のカロリーと脂肪分は飛び抜けて高いわけではありません。

●豆乳との比較:エネルギー量の差は36kcal。ご飯にすると2口分くらいの差です。たんぱく質を同等に含み、脂質は少なめですが、不足しがちなミネラルであるカルシウムの摂取源という点で牛乳の代替にはなりません。
●甘酒との比較:飲む点滴と呼ばれることもあり、甘酒はエネルギーの摂取源となります。米が原料であるため、炭水化物のエネルギーが主で、たんぱく質、脂質は少なめ。カルシウムなどのミネラルも少ないです。
●アーモンドミルクとの比較:アーモンドミルクのエネルギー量は少ないですが、牛乳が持つ栄養素の摂取源となることは望めないようです。

牛乳は、エネルギーの素となる、たんぱく質、脂質、炭水化物を含みます。水分摂取のために飲む水やお茶でも、嗜好飲料でもなく、体が必要とする栄養素を豊富に含む「食品」と位置づけるのが適切です。

 

「太る」とはどういうことか

では、太るとはどういうことかをあらためて考えてみましょう。
私たちは普段、食事からエネルギーをとって、そのエネルギーを、心臓を動かす・呼吸をするなど生命を保つための「基礎代謝」や、歩く・運動をするといった「身体活動」などに使っています。
私たちが食事でとったエネルギーは、消費されずに余ると、体脂肪となって体に蓄えられます。つまり、食事からとるエネルギーの量が、体が使うエネルギーの量を上回れば、体重は増加して「太る」というわけです。それは「牛乳を飲んだから」「○○を食べたから」というわけではなく、食事全体のエネルギーの量で決まります。


体脂肪になるのは脂質だけではない

私たちが食事でとったエネルギーが消費されずに余ると、体脂肪となって体に蓄えられますが、その材料は脂質だけではありません。同じくエネルギーの素となる栄養素である炭水化物やたんぱく質も使い切れないほど摂取されれば、体脂肪として蓄積されることにつながります。体脂肪が増えるかどうかは、特定の栄養素や食べもので決まるのではなく、食事全体からとるエネルギーが過剰になっているかどうかで決まると考えられます。つまり、「牛乳には脂質が含まれているから太る」わけではありません。

 

健やかな美しさを保つたんぱく質の摂取源

牛乳に含まれるたんぱく質に注目してみます。コップ1杯の牛乳で摂れるたんぱく質量は約6g。鶏卵1個、納豆1パック、木綿豆腐約100g、肉や魚では30g~40gほどから摂れる量と同じぐらいです。そして牛乳から摂れるたんぱく質は、「カゼイン」「ホエイ」どちらも、人間の体内で合成できない9種類の必須アミノ酸を含む、良質なたんぱく質です。
たんぱく質は、筋肉のもとになるばかりでなく、皮膚や髪、骨、内臓など、体をつくるもとになる成分である他、免疫や代謝にも関わる栄養素。牛乳はこの、健康でいきいきとした美しさを保つために欠かせない成分の摂取源となります。

 

不足しがちなカルシウムを手軽に補える

牛乳に豊富に含まれるカルシウムに注目してみましょう。カルシウムは、骨の健康を維持するために欠かせない栄養素ですが、日本人の平均摂取量は下の表のとおり、男女とも推奨量を下回っています。
 
カルシウム摂取量(※1)
(20歳以上平均)
推奨量(※2) 平均摂取量と
推奨量の差
男性 490mg 750mg 260mg
女性 476mg 650mg 174mg
※1「令和5(2023)年 国民健康・栄養調査」より
※2「日本人の食事摂取基準2025年版」より

カルシウムの不足は、骨折のリスクを高める骨粗鬆症や、高血圧、動脈硬化などにつながることが心配されます。一方で、カルシウムは過剰摂取により健康への影響が懸念されるため、サプリメント等よりも、食事からの摂取が適切です。
牛乳コップ1杯(200g)には約220mgのカルシウムが含まれます。日本人に不足しがちなカルシウムを、手軽に補えるのは、牛乳の大きな特徴のひとつです。

 

牛乳を食生活に上手に取り入れよう

さまざまなたんぱく質の摂取源となる食品の摂取と体重増加の関連性を分析したある調査によると、牛乳・乳製品を毎日1食、食べ続けた場合に、体重の増減への影響はほとんどなかったことが報告されています。
調理せず、コップに注いでそのまま飲むだけで、さまざまな栄養素をチャージすることができる牛乳は、栄養補給の強い味方。おやつ、間食にも最適です。牛乳やヨーグルトなどの乳製品をおやつに取り入れると、甘いお菓子やスナックを減らすことにつながりそうです。
また、牛乳を「そのまま飲む」だけではなく、コーヒーに入れたり、料理の素材として食事に取り入れたりするのもおすすめです。手軽に栄養を補い、食事のバランスを整えることができます。

太るかどうかは特定の食品だけで決まるものではありません。牛乳は健康でいきいきとした美しさのために欠かせない栄養素を豊富に含む食品。飲んだり、料理に使ったりして、食事に取り入れていきましょう。



 

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【参考】
●一般社団法人Jミルク
「【Thinking Milk】牛乳を飲むと太る?」
https://www.j-milk.jp/knowledge/products/hn0mvm0000005o23.html
「ウワサ30 牛乳は太る」
https://www.j-milk.jp/knowledge/food-safety/uwasa30.html

●農林水産省「もっと知りたい!牛乳のチカラ」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2406/spe1_03.html

●文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl

●「日本人の食事摂取基準(2025年版)」各論「エネルギー」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html

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