食物繊維、ちゃんと摂れてますか?
お腹の調子を整えたり便秘を防いだりという働きでおなじみの「食物繊維」。食物繊維がちゃんと摂れているかどうか気にしている人、とても多いですよね。ドリンク、シリアル、ゼリーなど、食物繊維が摂れることを強調した商品もよく見かけます。今回はそんな食物繊維のお話です。
必要性が認められたのはわりと最近
「おなじみの」と書きましたが、少し時代をさかのぼると、食物繊維は体に必要なものとは思われていなかったそうです。そう言われてみれば、私(ビオサポ助っ人・W)が子どもの頃は「食物繊維は体に大切」という話はあまりされていなかったし、食物繊維が摂れるドリンクなども売っていなかったような記憶が…。でも今では、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの5つの栄養素に、食物繊維を加えて「六大栄養素」などと呼ばれることもあるようです。
大腸でがんばる!食物繊維の働き
食物繊維は、「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義されています。つまり、胃や小腸などの消化管では消化されずに小腸を通過して、大腸まで達するんですね。そして腸の働きを正常にしたり腸内環境を改善したりして、「便秘や腸の病気の予防」に役立ちます。また、血中コレステロール値を下げたり血糖値の上昇を抑える作用もあって、「糖尿病や脂質異常症の予防」にも役立ちます。ナルホド、健康を維持するいろいろなメリットがあって、食物繊維入りの食品がウケるのもナットクですね!
食物繊維はどんな食品に多い?
ところで、食物繊維というと「繊維」という言葉から、細い糸のようなスジ状のものをイメージしませんか?でも、実際は、必ずしも歯ごたえのあるような食品ばかりではないんです!例えば、おなじみの納豆なども食物繊維が多い食品。食物繊維は、魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれず、豆類・野菜類・果実類・きのこ類・藻類などに多く含まれています。豆、野菜、きのこ、海藻…(・o・) こうして見ると、日本で昔からよく食べられているものには、食物繊維をたっぷり含むものが多いんですね!食物繊維の多い食品については下の表も参考にしてみてください。
食物繊維を意識した食生活を!
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、一日あたりに摂るべき食物繊維の目標量は、18~69歳の男性が20g以上、18~69歳の女性が18g以上です。単純計算で、1日3食のうちの1食で6~7g以上の食物繊維を摂るのが目標。毎日のおかずに、野菜やお豆やきのこや海藻などを取り入れることを意識したいですね。また普通のご飯にも1膳0.4gの食物繊維が含まれていますが、玄米ご飯にすると1.8gと食物繊維がぐんと増えるので、気になる人は変えてみるのもいいかも。(お茶碗1膳分130gとして計算)
「食物繊維が足りなければサプリメントで摂ればいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、サプリメントなどで大量に摂取すると、下痢を起こしたりして、逆に、体に必要な栄養素の吸収が妨げられることも。それに、食物繊維の摂取目標量は通常の食品に由来する食物繊維の研究から出されたものであり、「通常の食品に代えて同じ量の食物繊維をサプリメント等で摂取したときに、同等の健康効果を期待できるという保証はない」とされています(「日本人の食事摂取基準(2015年版)」)。やっぱり普段の食事から無理なく摂るのが一番ですよね!(^o^)
生活クラブのレシピ大事典にも、食物繊維の多い食材を使ったレシピがいろいろあります。根菜を使ったみそ汁などは、毎日の食事に取り入れやすいのでオススメ。4月からの新生活で張り切ってちょっとお疲れ気味の心と体を、ホッと癒すのにも最適ですね(*^-^*) ぜひ試してみてください。
【参考】
■厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
■厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」