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熱中症に強い体づくりも! 牛乳を飲んで夏を元気に過ごそう

多くの家庭の冷蔵庫に常備されている、おなじみの牛乳。カルシウムが摂れる食品として知られますが、牛乳の有効性はそれだけではありません。1年のうちでも暑くなってくるこの時期に飲むとよい理由があるそうですよ。ちょっと気になる牛乳のさまざまなチカラについて、探ってみましょう。

 

熱中症に強い体づくりをしよう

今年もすでに6月には猛暑日が記録されて、平年以上に暑い夏になるという予想もあるようです。気温が高い日が増えるとともに、熱中症になる人も増えています。

熱中症とは「高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態」を指します。熱中症予防のために欠かせないことは、暑さを避け、こまめな水分補給をすること。そしてこれらに加え、暑い時期を乗り切れる、熱中症になりにくい体づくりができたらさらにいいですよね。
ビオサポだより

 

汗をかいて体温調節できることがポイント

熱中症になりにくい体のポイントのひとつが、「体温調節が上手にできる」こと。人間は汗をかくことで体温を調節しているので、「いかに汗をうまくかけるか」が大事になってきます。そして「汗によって失われた体液(血液)をいかに回復できるか」も大切。汗は血液を材料として作られるので、血液が体の中に豊富にあって、たくさん循環している状態だと、汗による体温調節がスムーズにできるようになります。

では、体内の血液量を増やすにはどうすればよいでしょう? 牛乳に関する情報を発信している一般社団法人Jミルクによると、運動後に牛乳を飲むことが、血液量を増加させることにつながるそうです。牛乳が体内の血液を増やすのに役立つなんてちょっとびっくりですね。いったいどういうしくみなのでしょうか。
ビオサポだより

 

汗で失った体液(血液)の回復に牛乳が適している

汗ばむくらいの運動をした後は、発汗で減ってしまった体の中の水分量を補うために、肝臓が血液をつくろうとします。その場合に牛乳は、水分、ミネラル、糖、たんぱく質をバランスよく含むため、速やかにその材料になることができ、血液量を増やすことができるそうなんです! つまり、体を動かした後に牛乳を飲むと、汗の材料となる血液が増えて汗をかく力がつくということなんですね。これは、即効性というより、体温調節しやすい体づくりのために普段から心がけておきたいポイントとなりそうです。

また、運動によって発汗に慣れること、筋肉をつけて血流をよくすることを併せて行なうと、より効果的に発汗する力が上がり、体温調節上手な体につながるそうですよ。暑さを避けることや水分補給をまめに行なうこと以外にも、「汗をかきやすい体」を普段からつくっておくことが、熱中症対策にとても有効なんですね。

 

夏休みも成長期の子どもは家庭で牛乳を

そんな牛乳は、カルシウムをたくさん必要とする成長期の子どものために、学校給食で毎日提供されています。牛乳はカルシウムの吸収率が高く、他のカルシウムの供給源となる食品と比べて、一度にたくさんカルシウムを摂取できる食品だからです。学校給食がなくなる夏休みには給食で摂っていたカルシウムを家庭で補給できるといいですね。吸収率が高いかたちでカルシウムを含むうえ、他の栄養素も豊富で、体温調節しやすい体づくりにも有効な牛乳は強い味方です!
ビオサポだより

 

大人も牛乳から摂るカルシウムが大切

成長期の子どもばかりでなく大人にとっても、牛乳から摂取できる栄養は大切です。カルシウムは丈夫な骨や歯をつくるだけでなく、血液の凝固を促して出血を予防するなどの大切な働きもしています。そのため、血液中のカルシウムの濃度はいつも一定に保たれており、足りなくなったときは骨からカルシウムが溶けだして補充するというしくみになっています。つまり、骨はカルシウムの貯蔵庫のような役割をしているということ。だから骨量を維持するため、大人にとってもカルシウムは大切なのです。成長期を終えたら必要がなくなるというわけではありません。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、カルシウムの1日の推奨量を、大人の男性(18~74歳)で750~800mg、大人の女性(18~74歳)で650mgとしています。ところが、国民健康・栄養調査(令和元年)によると実際の1日あたりの摂取量は、男性(20歳以上の平均値)で503mg、女性(20歳以上の平均値)で456mgとなっており、推奨量に比べると200~300mgぐらい足りない状態です。牛乳コップ1杯分(200ml)にはカルシウム227mgが含まれるので、カルシウムが不足気味かも?と感じる人は、意識して飲むとよさそうです。
※18~29歳男性800㎎/30~74歳男性750㎎

 

健康に役立つ牛乳だが生産は危機に直面

カルシウムをはじめとした多くの栄養を含む牛乳。骨のためにも熱中症に強い体づくりのためにも、ぜひ積極的に摂りたい食品であることがわかりました。しかし、コロナ禍で需要が減ってしまったことなどもあり、牛乳や乳製品の原料となる生乳が余ってしまうというニュースも少し前に話題になりました。牛乳の生産はどうなっているのか気になります。

牛が生まれてから搾乳できるようになるまでには、なんと、約2年もの時間が必要だそうです。しかも、牛乳の原料となる生乳は貯蔵できないので、需要の増減にすぐには対応できません。余った生乳はバターなど他の乳製品の材料となりますが、安い輸入品と競合するため引き取り価格が低く抑えられる傾向があるそうです。飼料の価格の高騰や円安もあって、酪農はとても危機的な状況にあるとのこと。私たちが牛乳を積極的に飲むことによって、牛乳の安定的な生産の支えにもつながれば、よりよいですね。
ビオサポだより

 

質のよい牛乳を飲み続けて元気に過ごそう

生活クラブでは、組合員と生産者が協力して自前の牛乳工場を作って牛乳を生産しています。生活クラブの牛乳は、一般に広く行われている超高温殺菌ではなく「72℃15秒間」のパスチャライズド製法を採用。この製法だと熱による成分の変性が少なく、さらっとしてほんのり甘みのある牛乳が生まれます。そしてこうしたパスチャライズド牛乳を生産するためには、質のいい生乳が欠かせません。牛の健康を考え衛生管理を徹底して生産されている牛乳を、これからも飲み続けていきたいですね。


【参考】
●一般社団法人Jミルク 「牛乳で熱中症対策」2015年度版
https://www.j-milk.jp/report/study/h4ogb400000011f7-att/h4ogb400000011hk.pdf
●厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
●健康長寿ネット「カルシウムの働きと1日の摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-ca.html
●厚生労働省「国民健康・栄養調査」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html

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