心も体も大満足! 「大人のおやつ」の楽しみ方
食事全体のバランスの中で考えよう
心を豊かにしてくれるおやつも、体にとっては食事と同じくエネルギーや栄養のもととなるものです。おやつと食事を合わせた全体の摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、肥満につながってしまいます。だからといって、おやつにお菓子を食べた分、食事の量を減らしてしまうと、食事で摂るべき栄養素が摂れなくなり偏ってしまいます。おやつを考えるときには、食事全体のバランスの中で見ることが必要です。おやつはコマを安定して回す「ヒモ」
厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」は、一日に「何を」「どれだけ」食べたらよいのかを、コマの形と料理のイラストで表現しています。この中で「菓子・嗜好飲料」は、コマを回すヒモとして表されています。栄養素という観点だけからすれば必ずしも摂らなくてもいいものではありますが、コマが安定して回り続けられるよう、「食事の楽しみとして適度に摂ること」が大切なんですね。菓子・嗜好飲料の目安は1日200kcal程度
食事バランスガイドで、「菓子・嗜好飲料」の目安は、1日200kcal程度とされています。200kcalのお菓子の目安は以下のとおりです。いつもみなさんが食べているおやつの量は、これと比べて多いでしょうか、少ないでしょうか?200kcalのお菓子の目安量 | |
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ショートケーキ | 小1個 |
どらやき | 1個 |
シュークリーム | 小1個 |
大福 | 1個 |
クッキー | 4枚程度 |
みたらし団子 | 2本 |
ポテトチップス | 1/2袋(30g) |
せんべい | 3~4枚 |
洋菓子と呼ばれるケーキ、クッキー、チョコレートなどの主な材料は、小麦粉、バターなど油脂類、乳製品、砂糖などで、栄養素としては脂質と糖質が多く含まれています。和菓子の材料に多く使われているのは米や麦などの穀類とあんの材料となる豆類、砂糖などで、含まれる栄養素としては糖質が主です。せんべいやスナック類は、米や麦、いも類など。こちらも糖質が主で、揚げてあるものは脂質が含まれ、塩分が多いものもあります。
また、おやつと一緒に摂る飲み物についても、甘い嗜好飲料はカロリーが高い場合があるので注意が必要。両方合わせての目安が1日200kcal程度なので、おやつのカロリーと考え合わせて飲み物を選びたいですね。
3日~1週間の中で適量になるよう調整を
菓子・嗜好飲料は「楽しく適度に」楽しみたいもの。ヒモが長すぎるとコマがうまく回らない…ということにもなりかねません。とはいえ、お菓子を心ゆくまで楽しむ時間も欲しいですよね。そんな時は、1日単位ではなく3日~1週間ぐらいの区切りで、「菓子・嗜好飲料」区分の中で調整するのがおすすめ。「糖質をたくさん含むお菓子を食べてしまったから、夕飯はご飯を減らす」というのではなく、「菓子・嗜好飲料」として考えて調整してみましょう。おやつを食べない日をつくるのはなかなか難しいかもしれませんが、おやつのレパートリーにお菓子ではないものも取り入れれば、摂取エネルギーを調整しやすくなります。さらに、足りない栄養素を補えるようなものを選べば、心にも体にもうれしいおやつになりますね。
お菓子以外のおやつのレパートリーを増やそう
お菓子以外にも、おやつに取り入れられる食べ物はいろいろあります。お菓子類には少ない、カルシウム、たんぱく質、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維などを含むものをレパートリーに加えれば、おやつでも食事バランスアップをはかれます。そんなおやつのアイデアをいくつかご紹介します。<牛乳やヨーグルトなどの乳製品>
牛乳・乳製品は、食事バランスガイドでは「料理」区分のひとつで、カルシウムやたんぱく質を摂ることができます。そのまま飲んでもおいしい牛乳ですが、アイスクリームやヨーグルトを混ぜたり、きな粉やゼリーなど好みのものを加えたりしてアレンジすると、楽しみ方が広がります。プレーンなヨーグルトも、果物を加えてフルーツヨーグルトにすれば果物の栄養も一緒に摂れます。ジャムやシリアルをトッピングするのも、甘味やボリューム感が出ていいですね。
■生活クラブのおすすめ
マイルドで食べやすい「生乳100%ヨーグルト」はおやつに取り入れやすい乳製品。チーズもおすすめです。
「生乳100%ヨーグルト」
「全酪6Pチーズ」
<果物>
生の果物からはビタミンCや食物繊維、カリウムなどの他、さまざまなポリフェノール類が摂取できます。季節によってさまざまな味が楽しめるのがいいですね。食べきれない場合はカットしたものを冷凍しておくのも一案です。ドライフルーツはビタミンCの摂取は期待できませんが、水分が抜かれており、少ない量でも効率的に食物繊維や、カリウムなどのミネラルを摂ることができます。ドライフルーツをヨーグルトに漬けておくと、ヨーグルトの水分でドライフルーツがやわらかく戻って食べやすくなりますよ。
■生活クラブのおすすめ
毎週、さまざまな食べごろの果物を取り扱っています。ドライフルーツも豊富。
「干しプルーン」
「ヨーグルトと食べるドライフルーツ」
<乾物類>
小魚や、煎り大豆などの乾物は、歯ごたえがあるので、よく噛むことで満腹感も得られます。栄養的にも、たんぱく質、カルシウム、ビタミンDなどの供給源となりますが、塩分が高いものもあるため、一度にたくさんの量を食べてしまわないよう気をつけましょう。
■生活クラブのおすすめ
「食べるイリコ」「ポリポリこんぶ豆」など、おやつ向きで取り入れやすいものも。
「食べるイリコ」
「ポリポリこんぶ豆」
<ナッツ類>
たんぱく質、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル、生活習慣病予防で注目されるリノール酸やα-リノレン酸、抗酸化作用のあるビタミンEや代謝に関係するビタミンB群など、さまざまな栄養素の供給源となります。栄養豊富で食感も楽しめますが、脂質も多く含まれます。塩分が添加されているものもあるため、やはり摂りすぎには注意が必要です。プレーンなナッツを乾煎りして、シナモンやカレー粉、七味唐辛子などのスパイスをふってみても風味が変わって楽しめます。
■生活クラブのおすすめ
数種類をミックスしたものや、おやつにぴったりな味のついたナッツも。
「ミックスナッツ」
「カシューナッツ カレー味」
食生活を振り返って充実したおやつタイムを
いかがですか? おやつのレパートリーを広げると、お菓子の食べすぎ防止につながったり、おやつからも必要な栄養を摂ったりできそうですね。とはいえ、おやつで食べる量は食事に影響しない量を基本として、増えすぎないようにしたいものです。いつもおやつが欲しくなるほど食間にお腹がすいてしまうようなら、食事の量が足りていないという可能性も。主食を十分に食べることで、かえって甘味として摂る糖質を抑えられる場合もあります。いつもの食事を振り返って、足りていない栄養素をおやつで補うなど、食事バランス全体の中でおやつを考えられるといいですね。おやつタイムを、より楽しくて充実したものにしていきましょう!
【参考】
農林水産省HP
「実践食育ナビ 食事バランスガイド早分かり」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/features.html
「食事バランスガイドについて」
https://www.maff.go.jp/j/balance_guide