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ツラい冷え性…熱を生み出し保つために食事からできること

冷え性がつらいという声、身近でよく聞きます。冬はもちろん、暑い夏でも室内は冷房がきいていて、季節を問わず冷え性に悩まされるという人も多いですね。冷え性を改善するには、お風呂で体を温めたり生活習慣の見直しをしてみたりと、さまざまな対策があると思いますが、今回のビオサポだよりでは、冷え性の悩みに対して食事の面からできることを探ってみたいと思います。
 

そもそも冷え性ってどんな状態?

「冷え性」とは、人が寒さを感じない温度でも、手足や腰などが冷えてつらいと感じる状態。冷え性には、はっきりとした診断基準があるわけではありません。実際に体温が低いとか、触ると冷たいということでもないのです。人によって感じ方は違いますが、暖かい部屋にいても手足が冷たい、布団に入っても手足が冷たくて眠れないなどという訴えが多いようです。本人にとってはつらい悩みですよね。
ビオサポだより
 

体を温める熱は代謝によって生み出される

冷え性はさまざまな原因で起こりますが、要因のひとつに体内の「代謝」との関係が考えられます。私たちは、食べたものを体の中で分解し、体の組織を合成したり、エネルギーを生み出したりしていて、それを「代謝」と呼びます。また、寝ているときや安静にしているときも人間の体は常に、呼吸や体温の維持、血液の循環や臓器の活動、組織や細胞の合成や分解などのためにエネルギーを消費していて、これを「基礎代謝」と呼びます。そして、これらの代謝がなされるときに、私たちの体内で熱が生み出されます。冷え性の人は、この代謝がうまくできていなくて体内に十分な熱を生み出せていない可能性があります。

 

代謝による熱をより多く生み出すには筋肉量がポイント

体内の組織の中で、エネルギーの消費量が大きい、つまり熱をたくさん生むのが筋肉です。筋肉のエネルギー消費量は、脂肪のエネルギー消費量の3倍にもなります。つまり、筋肉の量が増えれば、活動しているときはもちろん、基礎代謝量も上がるので、より熱を生み出すことができるといえます。
私たちの体は実は、動いていないときに基礎代謝で使っているエネルギーがとても大きく、1日に消費されるエネルギーのうちの約60%を占めます。全身の筋肉量が多いと、安静にしているときでも基礎代謝により多くの熱が生まれるということ。筋肉量を保つことはとても大きな意味をもつんですね。

 

食事をすることでも熱は生まれる

また、食事をすることそのものによっても熱は生まれます。少し難しい言葉ですが「食事誘発性熱産生」といい、食事をすると体が温かくなるのはこの作用によるもの。体の筋肉量が多いと、この食事誘発性熱産生もより多くなります。またよく噛んで食べると、より多くの熱産生が得られるそうです。よく噛んで食べることはすぐにできるので、体を温めるための工夫のひとつとして心がけるといいですね。
ビオサポだより
 

筋肉量を保ち熱を生みやすい体にする食べものは?

冷え対策のためには、筋肉量が保たれた、代謝による熱を生みやすい体であることが大切です。では、筋肉量の維持と代謝のためには、どんなものを食べるのがよいのでしょうか。

●たんぱく質…肉、魚、卵、乳製品や大豆など
熱を生む筋肉や熱を運ぶ血液のもととなる栄養素。代謝に関わるさまざまな酵素もたんぱく質でできているので、十分に摂りたい栄養素です。

●炭水化物…米、小麦など
たんぱく質を摂っても、エネルギー源が不足するとたんぱく質もエネルギー源として使われてしまうため、十分なエネルギー源として炭水化物を摂ることも欠かせません。

●ビタミンB1、ビタミンB2…ビタミンB1:豚肉、玄米、胚芽米など、ビタミンB2:レバー、魚介類、納豆、乳製品、卵など
ビタミンB1は特に糖質の代謝に、ビタミンB2は脂質の代謝に関わることが知られています。

●鉄…レバー、魚介類、大豆、青菜など
たんぱく質とともに血液を構成します。熱や栄養素、酸素や二酸化炭素などを全身に運ぶ役割もあります。

冷え性に悩む人は、これらの栄養素を摂ることを意識してみてもいいかもしれませんね。代謝の働きにはビタミンB群だけでなくさまざまなビタミンやミネラルが関わるので、野菜や海藻、いも類、豆類、果物などから広くビタミンやミネラルを摂取したいもの。熱を生みやすい体づくりには、やはりいろいろなものをバランスよく食べることが欠かせないのです。
ビオサポだより
 

自律神経の乱れも冷えの原因のひとつ

ここまで、体内で熱を生む「基礎代謝」と「食事誘発性熱産生」に注目してきましたが、冷え性を考えるときには、自律神経がきちんと働いているかどうかもポイントです。自律神経は体温を調整する機能を担っているので、自律神経のバランスが崩れると体温の調整がうまくいかなくなり、冷えにつながります。

また、体内でつくられた熱は、血液によって全身に運ばれて体全体を温めますが、血流を調整するのも自律神経の機能のひとつ。そのため、自律神経の乱れなどによって血液循環が悪くなると、手や足の末端まで血液が行きわたらず、冷えを感じる要因になります。

自律神経の乱れは、不規則な生活やストレスによって引き起こされることがあるため、生活リズムを整えることが大事です。食事の際に口を動かしたり消化器官が動いたりすること自体が脳への刺激となるため、食事のリズムを整えるのは効果的です。食事を1日3回、規則正しくとることを意識すると生活リズムも整いやすく、体温調節にもつながっていくのでおすすめです。
ビオサポだより

食事のリズムとバランスを整えて冷え性に立ち向かおう

「これさえ食べれば冷え性は解決!」という特効薬のような食べ物はなかなかなく、食事のリズムを整えて、栄養バランスのとれた食事を摂ることが、遠回りのようですが冷え性対策には有効といえそうです。まずは3度の食事をなるべく毎日同じ時間帯にとることから始めてみましょう。食事のリズムや栄養バランスを整えるのに役立つ、過去のビオサポだよりもぜひ参考にしてみてくださいね。


■「3食」と「3色」を意識して健康な食生活を!
https://recipe.seikatsuclub.coop/news_story_detail.html?NTC=1000000985

■朝食を食べて健康リズムを生み出そう
https://recipe.seikatsuclub.coop/news_story_detail.html?NTC=1000001286

【参考】
●公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
「低体温」
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/tei-taion.html

●「栄養学の基本 人体の理解と栄養学の基礎」南久則・下田誠也・叶内宏明編(医歯薬出版株式会社)

●厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット

「食事誘発性熱産生」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html

「自律神経失調症」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-082.html

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