だしをとるだけじゃもったいない! 昆布の魅力、再発見
<目次>
・産地によって種類や特徴が異なる
・昆布にはどんな栄養が含まれる?
・食べておいしい!昆布を使った料理
・あなたもこれで昆布だしマスター!
産地によって種類や特徴が異なる
昆布の主な産地は北海道。その中でも、地域によって昆布の種類が違います。利尻、羅臼などの名前はよく知られていますよね。生活クラブの消費材の「みついし昆布」は、北海道・太平洋沿岸日高地方の三石から、えりも岬までの約80kmの海岸線で採っている昆布で、日高昆布とも呼ばれます。みついし昆布の特徴は、煮上がりが早く、旨み豊かなだしがとれること。だしをとった後もやわらかい食感なので、煮物にも使え、食べてもおいしい昆布です。昆布巻き、おでん、煮物、炒め煮などに向いています。

| 【昆布の種類と特徴】 ◆真昆布 良質の昆布。肉厚で幅広い。 ◆利尻昆布 香り高く澄んだ色の出汁がとれる。 ◆羅臼昆布 だし汁が濁る。香り良く濃厚。 ◆日高昆布 柔らかくて煮えやすく味も良い、万能昆布。学名「ミツイシコンブ」。 ◆その他の昆布 長昆布、ねこ足昆布、がごめ昆布 細目昆布 |
昆布にはどんな栄養が含まれる?
昆布には、食物繊維、カリウム、カルシウム、ヨウ素などの栄養素が含まれます。それぞれの成分の働きを見てみましょう。●食物繊維
水溶性食物繊維のアルギン酸やフコイダンは昆布に豊富に含まれます。食物繊維は血中コレステロールを下げ、糖の吸収を緩やかにする効果のほか、腸内環境を良好にする作用があります。食物繊維の摂取源として、野菜だけでなく昆布などの海藻類も取り入れたいですね。
(こちらも参考に:ビオサポだより227回「野菜だけじゃない!食物繊維をおいしく摂れる食べもの」)
●カリウム
細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあり、ナトリウムを排出する作用があるため、摂りすぎた塩分を調節してくれる重要な成分です。
●カルシウム
丈夫な骨や歯をつくるカルシウム。日本人の摂取量の平均値は、骨量を維持するために必要とされる推奨量を大きく下回っています。積極的に摂りたい成分です。
●ヨウ素
甲状腺ホルモンを構成します。エネルギー代謝に関係し、脳の発達や身体の成長に不可欠です。世界的には不足しやすいミネラルですが、日本人は伝統的に海藻や昆布だしを多く摂取する食習慣があるので、ヨウ素も十分に摂取していると考えられてきました。しかし近年は日本人も海藻摂取量が低下しており、海藻類を食べない人ではヨウ素の摂取量が不足しやすいので、適切に利用することが大切です。
一方でヨウ素の過剰摂取は健康上のリスクにつながる場合も。1日3食昆布だしを飲んだり、昆布チップ1袋を約1か月食べ続けたりすると、甲状腺の機能に影響があるという報告があります。このように極端な長期間の過剰摂取や、サプリメントによる摂取は注意が必要です。昆布由来のヨウ素は2日以内に排せつされるため、毎日食べ続けなければ問題ありません。
こうした大切な働きをする各栄養素ですが、国民健康・栄養調査では、国民1人1日当たりの摂取量は、食物繊維・カリウムは目標量に、カルシウムは推奨量に届いていません。
昆布は日本で古くからだしや副菜として食べられ、食物繊維、カリウム、カルシウム、ヨウ素の供給源となってきた大切な食材ですが、昆布をはじめとする海藻類の摂取量は近年減ってきています。

藻類摂取量の平均値の年次推移
「主な健康指標の経年変化」国民健康・栄養調査_国立健康・栄養研究所をもとに作成
食べておいしい!昆布を使った料理
体に必要なさまざまな栄養素も含む昆布。だしとして利用することが多いですが、昆布を使ったいろいろな料理もとてもおいしいものです。ビオサポレシピからいくつか紹介します。昆布の魅力を再発見できるかも!?■だしから作るおでん
みついし昆布はやわらかく、おでんの具にもぴったり。水で戻した昆布を、結び昆布にして煮れば、かわいくて食べやすいですよ。昆布の幅を2~4等分に切れば結びやすくなります。
■豚肉の昆布巻き煮
昆布巻きというとおせちのイメージですが、普段の食卓にもどんどん登場させたいメニュー。昆布と相性抜群の豚肉を巻いて、大人も子どもも大好きなおかずに。
■クーブイリチ(沖縄風昆布と豚肉の甘辛煮)
細幅にカット済みの「みついしきざみ昆布」を使ったメニュー。甘辛味があとを引くおいしさです。
■きざみ昆布とさつまいもの煮物
昆布とさつまあげの旨みが甘みのあるさつまいもとよく合い、食べごたえもある一品。
あなたもこれで昆布だしマスター!
■基本の昆布だしのとり方1Lあたり昆布を10g使用する、濃い昆布だしのとり方。
■とにかくカンタン!昆布水
冷蔵庫で一晩置いておくだけの昆布水の作り方。
■だしをとった後の昆布は捨てないで!
だしをとった後の昆布は、せん切り、短冊切りなど、食べやすい形に切ってチャック付き保存袋などに入れて冷凍庫で保存するのがおすすめ。使いやすい量がたまったら、料理に活用しましょう
・野菜等と合わせ、しょうゆや甘酢など好みの調味料やドレッシングをかけて和え物やサラダに
・肉や野菜と合わせて炒め煮に
・かき揚げの具に
普段あまり注目を浴びることのない昆布ですが、実は多くの栄養を含み、料理の材料としても使いでがあります。だしとしてはもちろん、食卓でどんどん活用していきたいですね。

【参考】
●農林水産省 にっぽん伝統食図鑑「海藻製品」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/bunrui/kaisou-seihin.html
●「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
「ヨウ素」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
●厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~
「カリウム」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-005
●「主な健康指標の経年変化」_国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所_健康日本21分析評価事業
https://www.nibn.go.jp/eiken/kenkounippon21/eiyouchousa/index.html